展示会とは、企業が自社の製品やサービスを特定の会場に集め、ターゲットに対して直接アピールを行うビジネスイベントのことです。新製品の発表や既存顧客への提案、さらには新たな販路の拡大を目的とした重要な商談の場として、多くの業界で活用されています。

近年ではデジタルトランスフォーメーション(DX)の進展により、リアルな会場だけでなくオンライン上での開催も普及し、多様な手法で成果を最大化できるようになりました。この記事では、展示会の基本的な定義から、目的別の種類、成功させるためのポイントを詳しく解説します。

展示会とは?基本的な定義と目的

展示会とは、企業が自社の最新技術や製品を一堂に紹介する催事のことです。主な目的は、「新規顧客の開拓」や「商談機会の創出」にあり、単なる紹介にとどまらない戦略的なビジネスの場として機能します。

内容や規模によって「見本市」や「トレードショー」とも呼ばれます。一般的には特定の業界関係者を対象としたBtoB形式が多いですが、広く一般消費者を対象とする場合もあります。

目的別にみる展示会の主な種類

展示会は、開催目的やターゲットによっていくつかの種類に分類されます。自社が狙いたい層に合わせて最適な形式を選択することが、成果を上げるための第一歩です。

BtoB展示会(合同展示会)

メーカーやサービス提供会社が、導入検討をしている企業へ向けて紹介する商談主体のイベントです。

特徴

特定の業界関連企業が数十〜数百社単位で集まる。

参加者

営業担当、決裁権者、トレンドを調査する専門職。

メリット

短期間で効率よく新規のネットワークを構築できる。

BtoC展示会(パブリックショー)

一般消費者を対象に、製品を直接披露するイベントです。

特徴

ブランドの認知向上やファン交流、ユーザーからの直接的なフィードバックを重視。

事例

『TOKYO GIRLS COLLECTION』や『TOKYO GAME SHOW』。

メリット

実際に製品を手に取って体験してもらうことで、深い没入感を提供できる。

プライベートショー

特定の企業が主催者となり、既存顧客や見込み顧客を招待して開催する単独の展示会です。

特徴

競合他社を排除した環境で、自社の世界観を深く浸透させられる。

事例

GLOBISやRICOHなどの自社カンファレンス。

メリット

ターゲットを絞り込んでいるため、より深いソリューション提案やロイヤリティ強化に直結する。

オンライン展示会

インターネット上の仮想空間で行われる非対面型のイベントです。

特徴

時間や場所の制約がなく、遠方の顧客とも接点を持てる。

メリット

動画配信や3Dブースなどデジタルならではの演出が可能。来場者の行動ログをデータとして蓄積し、精度の高い追客ができる。

企業が展示会に出展する5つのメリット

企業が展示会に出展する背景には、対面ならではの深いコミュニケーションを通じてビジネスを加速させたいという強い動機があります。デジタル化が進む現代においても、実物を前にした商談や体験の価値は高く、多角的な成果を期待できます。

展示会とは、単なる製品紹介の場ではなく、売上拡大やブランド構築を支える「戦略的な営業拠点」です。出展によって得られる主なメリットを5つのポイントで解説します。

1.新規リード(見込み顧客)の獲得

展示会に出展する最大の利点は、自社のターゲット層が集中する空間で、効率的に新規の見込み顧客と接点を持てることです。 普段の営業活動では接触が難しい決裁権者や、特定の課題を持って情報収集に訪れる担当者に対して、一度に多くアピールできる貴重な機会となります。カタログやWebサイトだけでは伝わりにくい製品の質感をリアルに体験してもらうことで、相手の興味を強く惹きつけることが可能です。

2. 既存顧客との関係強化

展示会は、既存顧客とのロイヤリティを向上させるための絶好の場でもあります。 日々の連絡がメールやWeb会議にシフトする中で、直接顔を合わせることは信頼関係をより強固にします。新製品の発表をきっかけに招待状を送り、ブースで直接案内することで、普段の商談では聞き出せなかった深い課題や、新たなプロジェクトに関する情報を得られることも少なくありません。

3. 認知度向上とブランディング

数多くの競合他社が集まる展示会では、ブースのデザインやスタッフの振る舞いそのものが企業の姿勢として映し出されます。 会場内で統一感のある世界観を演出し、「〇〇の分野ならこの会社」というポジションを印象づけることで、中長期的な信頼獲得につなげられます。また、業界メディアの取材が入ることも多く、露出を通じた広報効果も期待できます。

4. 市場ニーズの調査・フィードバック

展示会は、自社製品に対する「顧客の生の声」を直接確認できる貴重なマーケティングの場です。 ユーザーがどの機能に最も関心を示し、どこで操作に迷ったのかを直接観察することで、開発部門へフィードバックすべき改善点が明確になります。また、会場全体を視察することで業界全体のトレンドや競合の最新動向を把握できる点も大きな利点です。

5. 新製品・新サービスの効率的なプロモーション

新製品のリリースを広く周知するために、展示会は最も適した舞台です。 特設ステージでのプレゼンテーションや実演デモンストレーションは、静止画や動画だけでは伝わりにくい魅力を五感に訴えかけます。ターゲットが一同に会する場で直接お披露目することで、市場へのインパクトを最大化できます。

出展前に知っておきたい展示会のデメリットと注意点

展示会への出展は多くの成果をもたらす一方で、あらかじめ把握しておくべき課題も存在します。これらを正しく理解し、戦略的な対策を立てることが、展示会を成功させるための重要な鍵となります。

高額な出展コストが発生する

展示会とは、会場の床面積に応じた「出展料」に加え、多額の付随費用がかかるイベントです。

主な費用

ブースの装飾費(設営・撤去含む)、照明や展示機器のレンタル費、説明員やコンパニオンの人件費、宿泊交通費など。

特殊な費用

製造業などの場合、大型機械の特殊輸送費や搬入後の動作検査費用が必要になるケースもあります。

投資対効果(ROI)を最大化するためには、これらの総額を精査し、獲得できるリード数や成約見込みに見合っているかを事前に判断することが求められます。

準備からフォローまで膨大なリソースを要する

展示会の運営は、会期中だけでなく、準備段階から終了後の活動に至るまで非常に多くの時間と労力を要します。

事前準備

コンセプト立案、ブースデザインの決定、配布資料の制作、招待状の送付など(数ヶ月前から開始)。

アフターフォロー

獲得した大量の名刺のリスト化、関心度に合わせたフォローメールの送付、商談設定など。

特にイベント終了後のフォローはスピード感が成約率を左右するため、現場スタッフの負担を考慮した計画的な運用が必要です。

展示会出展を成功に導くための5つのステップ

展示会出展を成功させるには、戦略的な準備と実行のプロセスが不可欠です。事前の目標設定から終了後のフォローアップまでを一貫したストーリーとして組み立てることが、成果を最大化する鍵となります。

具体的に、競合他社と差をつけるために欠かせない5つのステップを解説します。

【ステップ1】出展目的と数値目標(KGI/KPI)の設定

展示会とは、明確なゴールがあって初めて投資対効果が生まれるものです。まずは「新規リード獲得」「認知度向上」など、今回の出展で最も重視する目的を定めます。 目的が定まったら、最終的なゴール(KGI)と、その過程を評価する中間指標(KPI)を数値化しましょう。

例:「受注件数(KGI)」に対し、「有効な名刺交換数」「商談予約数(KPI)」を設定。

【ステップ2】ターゲットに響くブースコンセプトの設計

多くの企業がひしめき合う会場では、誰に向けたメッセージなのかを一瞬で伝える必要があります。

キャッチコピー

専門用語ではなく、ターゲットが抱える課題を解決する「ベネフィット」を大きく打ち出す。

空間レイアウト

視線誘導を意識し、遠くからでも「何を提供しているか」が直感的に伝わる構成にする。

体験の提供

実演デモなど、自然と会話が生まれる仕掛けを用意する。

【ステップ3】WebやSNSによる事前告知

展示会の成功は、開催前の集客活動で決まります。 自社の出展内容をまとめた特設ページ(ランディングページ)を用意し、新製品の見どころや限定ノベルティ情報を発信しましょう。SNSで最新情報を小出しに発信するなど、「そのブースへ行く理由」を事前に植え付けることが、当日ブースを賑わせる決定打となります。

【ステップ4】運営体制の整備と役割の明確化

現場のチームワークを最大化するため、スタッフの役割を細分化します。

呼び込み

ブース前を通る来場者への声掛け。

説明員

製品の魅力を専門的に解説。

クロージング

商談スペースへの誘導と詳細ヒアリング。 また、混雑時でも来場者を待たせないよう、受付の手順やトラブル対応のマニュアルを徹底しておくことが、企業の第一印象を左右します。

【ステップ5】迅速なアフターフォロー体制の構築

展示会で獲得したリード(見込み顧客)は、時間が経つほど関心が薄れてしまいます。

優先順位付け

商談の反応やアンケート結果をもとに「A(即商談可)」「B(将来の見込み)」などに分類。

スピード対応

イベント終了から3営業日以内には、お礼メールの送付やアポイント調整を開始できるフローを事前に整えておきましょう。

展示会に関するよくある質問

展示会の運営や参加に際して、多くの方が抱く疑問にお答えします。

Q1. 展示会の出展にはどれくらいの費用がかかりますか?

1小間あたり数十万円から数百万円程度の予算が一般的です。 費用の内訳は、主に以下の4つに大別されます。

出展料:1小間(約3m四方)で20万〜50万円程度。

装飾費:簡易的なもので10万〜30万円、凝ったデザインでは100万円以上。

人件費:説明員やコンパニオンの給与、宿泊交通費。

諸経費:資料作成代、製品の輸送・搬入費。

Q2. 初めての出展で何から手をつければよいかわかりません。

まずは「出展目的」の明確化からスタートしましょう。 「新規リード獲得」なのか「認知度向上」なのか、ゴールを絞り込むことで、その後のスケジュールや予算配分が決まります。

半年前:ブースの場所確保、コンセプト設計。

3ヶ月前:装飾会社との打ち合わせ、告知準備。

直前:当日のオペレーション確認、スタッフ教育。

Q3. 来場者として参加する場合、服装に決まりはありますか?

基本的には「スーツ」または「オフィスカジュアル」がマナーです。 展示会とは新たな接点を持つビジネスの現場であるため、清潔感のある身だしなみが求められます。また、会場内は非常に広く歩き回るため、履き慣れたビジネスシューズや歩きやすいパンプスを選ぶなど、足元への配慮も重要です。

まとめ

展示会とは、企業が自社の強みを直接ターゲットへ伝え、ビジネスを加速させるための強力な拠点です。成功させるためには、事前の明確な目標設定、効率的な当日の運営、そして終了後の迅速なフォローアップという一連の流れを戦略的に組み立てることが重要です。

現代の展示会運営において、こうしたプロセスを支えるのが「eventos(イベントス)」のようなイベントDXサービスです。

工数削減:ノーコードで公式Webサイトやアプリを構築。

体験向上:デジタル名刺交換や資料ダウンロード、リアルタイムアンケート。

成果の可視化:7,000件以上の実績に裏打ちされたデータ分析機能。

コストを抑えつつ、テクノロジーを賢く活用して対面の価値を最大化することが、これからの展示会成功のスタンダードです。本記事で紹介したポイントを参考に、自社のビジネス成長に直結する展示会を実現してください。