2021年6月4日(金)に開催した日本展示会協会 第8回定時総会において、eventosのプラットフォームを導入させていただきました。

今回のインタビューは一般社団法人 日本展示会協会にて事務局次長を務める小杉 榮作様にeventos導入の背景やイベント業界全体に関わる、示唆に富んだお話をいただきました。

インタビュイー

一般社団法人 日本展示会協会 事務局次長
小杉 榮作様

eventosを導入して「成功」した点

・閲覧制限を行いセキュアなイベントを開催できた点

・リアルだけではなくハイブリッドにも転用できる点

展示会大国・日本を目指す為に

高瀬「本日は宜しくお願い致します。まずは、貴団体の業務内容についてご紹介頂けますでしょうか」

小杉様「日本展示会協会は、展示会の主催者・展示会会場・並びに展示会開催を支援していただく支援業者から構成されています。1967年に創立され、それから50年以上が経過し、現在は300を超える企業・団体に加盟頂いております」

高瀬「弊社bravesoftもいち団体として活動させて頂いておりますが、こちらの団体に加入する上での参加資格、参加基準などはあるのでしょうか」

小杉様「展示会業界に関わる企業・団体様であれば、”幅広く歓迎”というスタンスですね(笑)」

高瀬「(笑)その上で、団体に加盟する特典ーメリットという言い方になってしまいますが、そのようなメリットはどのようなものがあるのでしょうか」

小杉様「やはり、加盟会員同士の横の繋がりができる点だと思っております。現在はコロナ禍であまり実現できておりませんが、委員会活動や懇親会など、そのようなコミュニケーションを通じて加盟会員同士がビジネスで繋がっていく事が最大の利点ですね」

高瀬「小杉様は協会内ではどのような業務を行なっているのでしょうか」

小杉様「会員様の管理や、各委員会のサポート、総会・イベントのサポート、更にはホームページの管理など、事務局業務全般を行なっております」

セキュア × ハイブリッドが可能なルールを求めて

高瀬「続きまして今回、eventosをご導入頂いたイベントについてお聞かせ下さい。今回開催された“日本展示会協会 第8回 定時総会”はどのような内容のイベントだったのでしょうか」

小杉様「事務局としては年間を通じて最も重要な催しです。株式会社における株主総会のようなものと思っていただければわかりやすいと思います。1社・団体につき1つの投票権を持っており、議案の承認などを行う形で、300の加盟団体様にご参加頂きました」

高瀬「昨年2020年に開催された第7回総会は、ちょうど新型コロナウイルスの影響もありオンラインで開催されたとの事ですが、その会は他社様のオンライン会議ツールをご使用頂いたのですね」

小杉様「リアルをそのままオンラインに持ち込もうとして、あれもこれも色々な機能を使おうとしたのですが、結局何も使わずに終わってしまいましたね」

高瀬「その上で今回の8回目の開催にて、eventosをご活用頂くこととなりましたが、第7回開催の際に感じていた課題感などは何だったのでしょうか」

小杉様「1つは、閲覧の制限を行わなければならない、という点ですね。その際に使用したシステムですと、URLさえ共有すれば制限なく誰でも見ることができてしまいますので、視聴者は会員のみが視聴できるよう制御する必要がございました」

高瀬eventosは会員ごとに設定したID/PWのログインが無ければ視聴できない立て付けが可能となりますので、会員制限を持たせる事が可能でございました。他にはどのような課題があったのでしょうか」

小杉様「課題とは少し違うのですが、今回の開催は“ハイブリッド開催”を行いたいという希望がありました。リアルとオンラインの融合ですね。そうした意味で、イベントのハイブリッド開催ができる配信ツールを選定する前提条件がありました」

高瀬「その上でリアルでもオンラインでもイベント開催を実現できるeventosをご採択頂けたのですね。有難うございます。その上で、当日のイベントにて、実際にeventosを使用されての感想はいかがでしたでしょうか」

小杉様「今回も色々と試してみたい機能はあったのですが、最終的には会員限定でライブ配信を行う必要最小限の構成となりました。色々とご提案頂けたのに実現できず申し訳なく思っております」

高瀬「ライブ配信自体は問題なく行えたのでしょうか」

小杉様「そうですね、前回は配信が始まってから”見られない”などの問い合わせもあったのですが、そのようなネガティブな問い合わせもなく配信を行う事ができました。しかしながら、恐らく通信環境のため、配信映像の画質が高すぎて見る事ができなかったという意見も頂戴いたしました」

高瀬「それは大変失礼致しました。開発チームにそのような意見があった旨伝えておきます。ちなみにその頃の情勢にもよるとは思いますが、来年以降もハイブリッド開催を行いたいなど展望などはございますでしょうか」

小杉様「やはり”オンライン疲れ”もあるので、リアルで行いたい気持ちはありますが、地方の会員が気軽に参加できる、というオンラインの利点はあります為、ハイブリッド開催は前向きに検討されると思います」

高瀬「これからはイベント業界ではハイブリッドイベントが主流になると言われておりますからね」

特別対談:日本展示会協会 × bravesoft社長 対談

高瀬「ここからは弊社bravesoft代表取締役の菅澤と小杉様にて、展示会業界のここ1年のコロナとの向き合い方や今後の課題、更には展示会業界とeventech(イベントとテクノロジー)の未来などについて対談して頂ければと思います。昨年1年の振り返りから、簡単に昨年2020年を振り返っての総括からお話頂けますでしょうか」

小杉様「元々、2020年は東京オリンピック・パラリンピックが開催され、東京ビッグサイトなどの展示会会場を使用する事ができず、イベント業界は大打撃を受ける予定ではありましたが、予期せぬコロナの存在で別の形でイベントが中止に追い込まれました。その中でオンラインが注目された点は良かったと思っております。但し、オンラインイベントを依頼するにしてもどの事業者さんが良いのかが判別できず、そこは困惑しましたね」

菅澤「展示会業界において、オンライン化は率直にどのように捉えているのでしょうか」

小杉様「展示会業界はオンラインにはまだまだ課題を感じており、特にB to Bのイベントでは顕著です。“偶然の出会い”がやはりオンラインでは難しい点であったり、あとは感覚的にリアルが良いと言う意見もございます。しかしながら、ウェビナーなどのイベントにおいてはオンラインが有効とも伺っていますので、一長一短があるといった所でしょうか」

菅澤「イベントの在り方も大きく変わってしまいましたからね」

小杉様「強制的に変えられた形ですが(笑)」

菅澤「私はリアルイベントがやはり大事であると考えておりますが、小杉様は今後の世界は“リアルイベントに戻っていく”のか、それとも“ハイブリッドが進む”のか、どちらが主流になるとお思いでしょうか?」

小杉様「難しい質問ですね。展示会業界においては、業種によってはリアルの方が利益に繋がる企業様も多いのでリアルを求める声が多い事は事実ですが、今後はもちろんオンライン化も進んでいくと思いますので、オンラインに対応できない企業は厳しい場面も出てきてしまう可能性もあるのではないでしょうか」

菅澤「我々bravesoftは創業以来デジタルを事業としておりましたが、そこでの限界を感じて2014年よりeventosを通じてリアルの世界に入っていきました。そしてまたコロナの影響でデジタルが主流となってしまっておりますが、時代が変わり、展示会業界も変わっていくと思います。やはり、完全にデジタルへの移行は難しいとは思いますが、展示会業界の意識は少なからず変わりつつあるのでしょうか」

小杉様「展示会機能の一部がオンラインに移行する事で、海外の出展者も出展ハードルが低くなり、時間や空間を超えて、海外の企業がどんどん入ってくる事は容易に想像ができます。リアルとオンラインの融合がさらに進化し、海外の壁が展示会業界から無くなれば、業界繁栄は勿論、国益にも繋がってくるのでは、と思っております」

菅澤「展示会業界のオンライン移行に関して、我々が提供するeventosはまだまだできる事は多いと思っています。それこそオンラインイベントの課題である“偶然の出会い”ができるも機能案や企画案どんどん増やしていきたいと考えております」

小杉様「それが実現できれば、オンラインイベントの需要が更に高まる可能性はありますね」

菅澤「あとはリアルとデジタルは相反するものと捉えられがちですが、“リアルが好きだからこそ、デジタルでリアルをより加速化させたい”と言う思いで我々は事業を行なっております。ですので、そのような思いをお持ちの企業様をこれからも色々紹介して頂ければ(笑)」

小杉様「(笑)この業界はデジタルを導入するのに課題がある部分もありますが、若いデジタルネイディブの世代がこれから時代を変えていくと思いますね」

菅澤「コロナは打撃ではありましたが、中長期で見れば転機でもありましたし、色々試すことができた機会だと思っています。例えばZoom飲みなども当初はみんなやっておりましたが、あまり普及しなかったので、やっぱり飲むのはリアルが良い、と言う価値観がほんの一例ではございますが、リアルの方が良いものはリアル、デジタルで良いものはデジタルと、色々な棲み分けはできたと思っております」

小杉様「仰る通り、そのように色々と試す事、試そうとする事ができたのは良かったのではないでしょうか。”元々オリ・パラで大打撃”を受けるはずだった時期にさらにコロナが発生し、そこで色々と対策を考える事ができた点ですね。この業界は底力があると思っています」

菅澤「最近はイベントも少しずつ復活しておりますが、出展者様にとって前向きなムードは生まれつつあるのでしょうか」

小杉様「現在開催されている展示会に出展されている出展者様からも“このような状況でも来てくれる来場者の方は、熱意の高い方が多い”と言う意味で、質の高い商談ができるようになったという声も伺っております」

菅澤「小杉様はコロナ以前の状況に戻るのはいつ位になるとお考えですか?」

小杉様「まだ少し先になると思います。特に海外企業の出展などは暫くできないのではないでしょうか…それでも、国内に関しては徐々に回復していると思っております」

菅澤「ただ、昨年に比べると大分前向きには考える事ができましたね」

小杉様「昨年春あたりは私もこの先いったいどうなってしまうのだろうと不安ばかりでした(笑)ただ、このような状況においても経済活動を進める為に考える、人間は強いなあと感じましたね」

菅澤「この1年でも色々と大きく変わりましたので、来年1年どうなっているかもまだまだ分からないですが、少しずつ好転している事も感じておりますので、引き続き展示会業界と、イベントDXが盛り上げていける世の中になっていければと思います。そして、今まで予想した事がどうなったかは、また1年後に答え合わせをしましょう(笑)」