近年マーケティング界の新しい潮流のひとつとして「イベントのマーケティング」が注目を集
めています。複雑化する顧客の行動心理を的確に捉えるためにも、効果的なイベントのマーケ
ティングを行うことはとても重要です。
なぜならイベント業界は第三者からすればブラック
ボックスであり、イベント関係者からしても「パンドラの箱」と考えられてきており、指標が
なかったこととも相俟ってどの会社も分析を行うことをしなかった事情があるからです。
そこでブレイブソフトはスマホアプリという視点でそこにメスを入れていきたいと思います。
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目次
1.イベントの分析を行う前に知っておきたいこと
2.イベントで使われるアプリ分析
3.プライバシー等の課題
4.まとめ
 
1.イベント分析を行う前に知っておきたいこと
(1)アプリによる分析の意義
イベント分析は、顧客との接点を作り出すだけでなく、自社の商品やサービスを直接
に体験を
してもらうことで高い効果を生み出す優れたマーケティング手法です。
 しかし、前提として
必ずしも万能な手法ではないことを理解しておきましょう。
 例えば、苦労して開催したイベ
ントも、運営の不手際が目立ってしまえばイメージダウンにつながりますし、仮にイベントが
成功したとしても、その後のアフターフォローを上手く行わなければ当然に反響は得られず、
マーケティング効果や価値も低いものとなってしまいます。
 直接顧客と繋がりを作り高い効果
が期待できる反面、非常にデリケートなマーケティング手法と言えます。ポイントは「イベ
ントを開催するための受け皿(体制)が十分に用意できているか」です。運営の対応やイベ
ント後の顧客管理、営業活動へのフィードバックなどが十分に行える環境を整えてから、
イベント(主催、出展)を実施しましょう!
(2)リアル行動ターゲティングとは
2017年に日経BPマーケティング社よりキーワードとして挙げられた「リアル行動ターゲティ
ング」これまで把握が難しかったオフラインでのユーザー行動が、テクノロジーの進化に
よってアプリのGPSやビーコン等で可視化できる時代になってきました。アプリからユーザー
のリアル行動をどのように捉え、活用していくのか。何をKPIにし費用対効果を見て運用する
のかなどをお客様によりますが、例えばブレイブソフトのお客様は会場でのエリア単位での
ユーザーの滞在人数、滞在時間、導線を把握されています。エントリーシステムと連携させる
ことで、例えばAさんが会場でどのような行動を取られたかなど把握することが可能です。
仮にAさんがCEOやCXOであれば、後日、滞在時間が長かったコーナーの製品サービス情報を
後日営業マンが持参するなどの売上に直結したマーケティング活動をされています。
 
 
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2.イベントで使われるアプリ分析
(1)アプリによる行動分析
先述したように「GPSやビーコン等でユーザーの滞在人数、滞在時間、全体のユーザー導線、
ユーザー単位の導線の把握が可能となります。GPSとは、Global Positioning Systemの略であ
り、人工衛星から発する電波を活用して、位置情報を把握する仕組みのことを言います。
ビーコンとは、低消費電力の近距離無線技術「Bluetooth Low Energy」(BLE)を利用した
新しい位置特定技術、またその技術を利用したデバイスのことを言います。私たちの身近な
場所では、イオンモールなどの施設内の館内マップやお店によってはビーコンを活用した
商品情報の配信などを行なっています。ビーコンの大きなメリットとしては、広告やホーム
ページをユーザーが自ら開かずとも、情報を届けることができることにあります。特に実店舗
などのオフラインの場で活用されており、ユニクロなど広告費の削減にも役立つと、今後の
導入を検討している店舗も増えてきています。
 
(2)マンパワーによる行動分析
課題としては将来的にはAIによる分析が期待させれますが、①イベントの形態が多様化
(展示会、カンファレンス)されていることで画一化されていないためパターン化できていな
い。②機械学習するにもビーコンにしてもGPSにしても膨大な蓄積データが必要と
されますが、まだまだ日本国内のイベントではそれらの蓄積データが少ないので、データ
サイエンティスト/アナリストがマンパワーでTableau等のツールで分析をする為、その分
ユーザーに経済的負担がが掛かることが欠点となります。
(3)ビーコンとGPSの違い
位置情報を取得すると聞くとまず多くの方が思い浮かべるのが「GPS」ではないでしょうか。
ショッピングモール、オフィスビル、地下街、駅の通路、展示会場などの屋内で、スマホの
マップアプリを立ち上げても正確な位置が表示されなくて困った経験は誰もがお持ちでしょう。
そんな場合、行き先案内板や館内タッチパネル(デジタルサイネージ)に頼ったり、人に聞い
たりして目的地を探すしかありません。そして、どうしてこういう時にGPSは役に立たない
の?と疑問があります。GPSは人工衛星の電波を受信するため、基本的には空が見える場所
でしか動作しません。屋根があって空が見えないと、位置を測定できなくなります。よって、
GPSの位置誤差は常に数メートル在ります。極端に悪い場合は100m以上となります。
 
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違い
GPS:人工衛星を利用して測位するため広範囲の位置特定が可能であるが、電波が届かない
屋内や地下では利用不可です。
ビーコン:狭い範囲での利用で屋内でも利用可能です。ただし端末のBluetooth設定がonに
なっていないと電波を拾えません。
 
(4)結論
ブレイブソフトとしては、イベントの形態により使い分けをしております。屋外の場合は原則
GPS。屋外でも精度を数メールトル単位で測りたい場合や、屋内はビーコンをお勧めします。
但し屋外の場合はビーコンの防塵防滴対応が必要となります。
 
3.プライバシー等の課題
アプリにより有効に分析ができるようになった反面、セキュリティ等気を付けなければなら
ないことも増えました以下検討したいです。
(1)行政によるGPS捜査事件
行政が行うGPS捜査については2017年に最高裁大法廷で①裁判所の令状がなくてはならない、
②立法で新しい令状を整備することが望ましいと判断されました。
(2)法的な課題
民間ではまだプライバシー権の侵害など、目立った判例はないのですが、ヨーロッパでは既に
GDPR(General Data Protection Regulation)として、欧州連合 (EU) 内の全ての個人のために
データ保護を強化し統合することを意図した法案を施行させている。欧州連合域外への個人
情報の輸出も対象としている。その目的は、市民と居住者が自分の個人データをコントロール
する権利を取り戻すこと、および、欧州連合域内の規則を統合することで、国際的なビジネス
のための規制環境を簡潔にすることである。アメリカや日本ではまだ法案化されていないも
のの、昨今のフェイスブック事件の影響もあるので、何かしらの規制が入る蓋然性があります。
(3)アプリの特殊性(意見)
上述の記事を見るとやや萎縮する部分もあります。しかしながら、対立利益として資本主義
国家では公共の福祉に反しない限り、経済活動の自由も保障されていることを忘れてはいけ
ません。その国の企業活動で経済が潤えば、当然結果的に国も潤います。
(4)注意点と解決策
ユーザーとのトラブルを事前に避けるためにもアプリをインストールされた方には必ず「ア
クセス許可」や行動ログの利用目的を通知することをお勧めします。
 
4.まとめ
(1)注目集まる「リアル行動ターゲティング」
「ビッグデータ」や「データドリブン」というワードが流通してから数年が経ちます。これら
の言葉で指すデータの多くはオンライン上のものであり、これまでマーケターはオンラインの
データに注目してきました。つまり、デモグラデータやサイト来訪・検索などから取得する
興味関心データなどを軸にユーザーにアプローチする手法です。
一方で、スマートデバイスの普及により、価値が大きく高まってきたデータがあります。
それが「リアル行動データ」です。リアル行動データとは、ユーザーのオフラインでの行動
履歴を指します。我々は3次元のリアル世界で生活しています。インターネットが当たり前
のように浸透し、人によってはオンラインの接触時間がテレビや雑誌などのマス媒体を超
えたとしても、オンライン上の行動だけでユーザーの特徴を完全に判断しきることはでき
ません。この課題を解決する新データとして注目されているのが“リアル行動ターゲティン
グ”です。よって、ますます注目される領域となります。しかしなら、上述したようにセキ
ュリティ面の負の部分を受け入れながら、どのように有益に自社のマーケティングに活か
すかが問われていると思います。
(2)位置から行動へ。リアル行動履歴から見えてくるユーザー像
行動履歴は人を表します。ポイントは「履歴」です。かつての位置情報によるターゲテ
ィングは市区町村単位で、且つ今現在その人がいる場所でのターゲティングでした。
しかし肌身離さず持っているスマートホンが普及したことにより、いつどこに行ったのか、
またその場所にどれぐらい滞在したのかなどの行動情報が時系列で追えるようになりま
した。つまり、場所が「現在地を表す点」から、行動履歴として把握することで「人を
表す線」に変わったのです。これによりユーザーのライフスタイルがより明確に把握で
きるようになりました。ブレイブソフトではリアル行動履歴を活用されたい企業様の
最大限のお役立ちをいたします。
 
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