イベント企画書は、イベントの実現性や期待される効果を具体的に示し、成功に向けた重要な文書です。ここでは、基本構成と書き方のポイントについて解説します。
イベント企画書の基本構成
表紙
・タイトル:イベント名
・作成者:作成した担当者の名前や連絡先
・作成日:企画書の作成日
イベントの概要
・目的(Why):イベントを開催する理由や目的
・イベント名(What):イベントの名称やコンセプト
・ターゲット層(Whom):参加対象者やターゲット層
詳細情報
・開催日(When):イベントの開催日時
・開催場所(Where):イベントの開催地
・実施方法(How):イベントの詳細な実施方法
・予算(How much):推定される予算や費用
スケジュール
・準備スケジュール:準備段階から当日までのスケジュール
・イベントスケジュール:当日のイベント進行スケジュール
役割と体制
・役割分担:関係者やチームメンバーの役割分担
・運営体制:運営チームの体制や組織図
市場調査と集客計画
・市場分析:ターゲット市場の分析結果
・集客計画:具体的な集客方法やプロモーション戦略
リスク管理と対策
・リスク分析:想定されるリスクとその対策
付録・参考資料
・参考資料:過去のイベントの成功事例や市場調査データ
書き方のポイント
目的と連携
会社の事業目標とイベントの目的を明確に示し、連携をアピールします。どのように会社の戦略に貢献するかを具体的に説明します。
具体的なデータ
協力企業やスポンサーには、ターゲット層や集客効果を具体的なデータで示すと効果的です。数字を用いて説得力を持たせます。
コンパクトで分かりやすく
A4用紙1枚にまとめた案や構成を活用し、簡潔で分かりやすい内容にします。特に重要な項目は強調し、視覚的に分かるように工夫します。
6W2Hのフレームワーク
「Why(なぜ)」「What(何を)」「Whom(誰に)」「When(いつ)」「Where(どこで)」「How(どのように)」「How much(いくらで)」のフレームワークを使用して、必要な情報を漏れなく記載します。
テンプレートの活用
PDFやWord、パワーポイントのテンプレートを利用し、効率的に企画書を作成します。既存のテンプレートやサンプルを参考にすると効果的です。
イベント企画書を作成する目的
イベントの企画書を作成する最大の目的は、企画の意図や詳細情報を関係者へ正確に伝えることです。これにより、共感や協力を促し、最終的な承認獲得を目指します。以下に、イベント企画書を作成する具体的な目的と、その重要性を説明します。

社内の承認を得るため
上司や経営層への報告:
・企画の妥協性や期待される効果を明確に提示します。
・具体的なデータや事実に基づいて説明し、開催の承認をスムーズに進めます。
部署間の共通認識を醸成
全体像の提供:
・各部署の担当者にイベントの全体像やそれぞれの役割を示します。
・共通認識を持たせることで、円滑な連携体制を構築するのに役立ちます。
社外の関係者との円滑なコミュニケーション
協力会社への依頼:
・具体的な依頼内容や期待する成果を明確に伝えます。
・スムーズな連携を可能にし、イベントの成功に向けた協力を仰ぎます。
協力企業へのアピール:
・協賛することで得られるメリットをデータで示します。
・例えばターゲット層へのリーチ数やブランディング効果などを具体的に説明します。
6W2Hフレームワークの活用
イベント企画書は、6W2Hフレームワークを取り入れることで、必要な情報を漏れなく記述します。

イベント企画書の構成要素
イベントの企画書は、企画の意図や詳細を正確に関係者へ伝え、承認や協力を得るための重要な文書です。以下に、イベント企画書の基本的な構成要素と説明を示します。
基本情報
1.表紙
・タイトル:イベント名を明記。
・作成者名:設定した担当者の名前や所属団体名。
・作成日:企画書の作成日を記載。
2.企画背景・目的
・背景:イベントを開催する理由や背景を説明。
・目的:解決したい課題や達成したい具体的な目標を記述。
3.ターゲット
・ターゲット層:参加者として想定する年齢層や興味・関心などを具体的に設定。
4.目標設定
・数値目標(KPI):イベントの成果を評価するための具体的な指標(例:イベント来場者数、商談化件数)。
5.イベント概要
・コンセプト:イベントの主な目的やテーマ。
・内容:イベントの全体像を簡潔に説明。
詳細計画
1.開催に関する詳細
・日時:開催日時を明記。
・場所:開催地の住所、アクセス方法、必要な設備を記述。
・コンテンツ内容:イベント当日の流れやプログラムをタイムスケジュールとして記載。
2.集客の方法
・オンライン集客:自社ウェブサイト、メールマガジン、SNS広告など。
・オフライン集客:チラシ配布、ポスター掲示、他のイベントでの告知など。
・施策例:SNS広告、イベント告知サイト、早期申込割引。
3.費用計画
・主要費用項目:会場費、設営・装飾費、人件費、広報費、機材費。
・予算措置:項目ごとに概算費用を計上し、収支見込みを示す。
4.進行スケジュール
・各タスクと担当者:企画の進行に必要なタスクごとに担当者と期限を設定。
5.成果を測る指標
・成果指標(KPI):イベントの成功を評価するための具体的な指標(例:新規顧客獲得数、ウェブサイトアクセス数、SNSエンゲージメント率)。
具体例とテンプレート
基本情報テンプレート例
表紙
– タイトル:○○イベント
– 作成者名:山田太郎
– 作成日:2023年10月1日
詳細情報テンプレート例
企画背景・目的
– 背景: 新商品の認知度向上のため。
– 目的: 新規顧客の獲得とブランド強化。
ターゲット
– ターゲット層: 20~30代のビジネスパーソン
目標設定
– KPI: イベント来場者数500人、商談化50件
イベント概要
– コンセプト: 新商品の体験型ワークショップ
– 内容: プロダクト紹介、ワークショップ、質疑応答
開催に関する詳細
– 日時: 3月20日(金)18:00-21:00
– 場所: ××ホール、東京都千代田区永田町1-1-1
– コンテンツ内容:
⚫︎ 13:00 開場、受付開始
⚫︎13:30 主催者挨拶
⚫︎14:00 基調講演(〇〇氏)
⚫︎15:00 パネルディスカッション
⚫︎16:00 質疑応答
⚫︎16:30 閉会
集客の方法
– オンライン集客: 自社ウェブサイト、メールマガジン、SNS広告
– オフライン集客: チラシ配布、ポスター掲示
– 施策例: SNS広告、イベント告知サイト
費用計画
– 会場費: 20万円
– 設営・装飾費: 10万円
– 人件費: 15万円
– 広報費: 5万円
– 機材費: 10万円
– 予備費: 5万円(全体予算の5%)
進行スケジュールと成果指標
初期段階(3ヶ月前)
・アイデア出し、ターゲット層の設定
・会場選定、見積取得
中期段階(2ヶ月前)
・広報計画の策定と実施
・出演者・講師の選定と交渉
・機材・備品の手配
終盤(1ヶ月前)
・チケット販売
・最終スケジュール調整
直前(1週間前)
・リハーサル、最終確認
当日
・受付開始、イベント進行、フォローアップ
成果を測る指標

評価方法: 参加者アンケート、Google Analyticsによるトラフィック、SNSインサイト機能
イベント企画書作成の進め方
イベント企画書の作成は、まずイベントの目的とターゲットを明確に設定することから始めます。これにより、どのようなイベントを実施するべきかの方向性が定まります。例えば、「若年層へのブランド認知度向上」や「特定製品の新規顧客獲得」といった具体的な目的を設定することで、イベントの企画内容や集客方法が絞り込まれます。
目的とターゲットの設定
目的:イベントを通じて達成したい目標(例:地域活性化、新規顧客獲得など)
ターゲット:参加者の年齢層や関心事項(例:地元住民、若年層のビジネスパーソンなど)

コンセプト設定と企画内容の検討
設定した目的やターゲットに基づき、イベントの具体的な企画内容を検討します。ここでは、イベントを通じて参加者にどのような体験を提供したいのか、どのようなコンテンツが必要なのかを具体的に掘り下げます。
コンセプト設定:イベントのテーマやメインメッセージを決定(例:夏祭り、最新テクノロジー体験)
コンテンツ企画:具体的なアクティビティや体験型イベントを検討(例:ワークショップ、講演会、展示)

組織内での承認プロセス
イベント企画書は、社内で企画の承認を得るための重要な書類です。承認プロセスを円滑に進めるためには、まず組織内で誰が企画書の承認に関わるのかを把握し、適切なフローを事前に確認しておくことが重要です。
サマリー資料の用意:サマリーには企画の目的、概要、期待される効果、必要な予算などを記載。
視覚的要素の活用:会場のレイアウトイメージ図や過去のイベント写真、予算の内訳のグラフなどを盛り込む。
強化する要素
最新のトレンドや季節のイベントを取り入れる:
夏なら地域の夏祭りや、テクノロジー系のイベントでは最新のVR技術を活用した体験コンテンツなど。
リソースの考慮:
予算や利用できる会場、人員などのリソースを考慮し、現実的な範囲で最大の効果が得られる企画内容を目指す。
企画内容の評価では、複数のアイデアを比較検討し、メリット・デメリットを評価して企画内容を洗練していきます。一度の提出で承認が得られない場合は、フィードバックを受け取り、企画書を修正し、企画内容をブラッシュアップしていきます。粘り強く対話を重ねながら進めることが成功の鍵です。
効果的なイベント企画書作成のヒント
イベント企画書を作成する際、関係者との円滑なコミュニケーションを意識することが重要です。専門用語の使用は避け、誰が読んでも理解できる平易な言葉で記述しましょう。具体的かつ簡潔な言葉でイベントの全体像や意図を明確に伝え、グラフや表、写真などの視覚的要素を積極的に活用することが効果的です。
具体的な資料の活用
視覚的な要素:
イベント会場のイメージ写真や、過去の成功事例の写真を用いることで、イベントの雰囲気や期待される効果を具体的に伝えます。
目的と意義の明示
企画書の冒頭でイベントの目的や意義を明示することで、読み手にイベントの重要性を理解させ、関心を持たせることができます。想定される質問や懸念事項に対してあらかじめ回答を盛り込んでおくことで、企画の実現性をアピールします。
早めの準備
イベントの成功は、十分な準備期間を確保することにかかっています。イベントの規模によりますが、一般的には開催の数ヶ月前、大規模なイベントの場合は1年ほど前から準備を始めるのが理想的です。
主なタスク:
イベントのコンセプトや目的、ターゲットの明確化、会場の予約、講師や出演者の手配、予算の確保、広報活動、当日の運営体制の構築。特に、人気の高い会場や著名な講師の確保には早期の行動が不可欠です。
分かりやすい表現
専門用語や業界特有の略語を避け、一般的な言葉で具体的に記述します。ターゲット設定においても、「〇〇に在住の20代から30代のビジネスパーソン」のように具体的な属性を示すことで、関係者間でターゲット像の共通認識を持つことができます。
視覚的要素の活用:図やグラフ、写真など。過去の類似イベントの参加者数の推移をグラフで示す、費用対効果を表でまとめるなど、直感的に理解できる情報提供が重要です。
必要な情報の網羅
6W2Hのフレームワークが非常に役立ちます。「Why(なぜ)」「Who(誰が)」「Whom(誰に)」「What(何を)」「When(いつ)」「Where(どこで)」「How(どのように)」「How much(いくらで)」の8つの要素を盛り込みます。
【6W2Hのフレームワーク】
・Why(なぜ): 目的と背景
・Who(誰が): 主催者や関係者
・Whom(誰に): ターゲット層
・What(何を): 内容とコンセプト
・When(いつ): 開催日時
・Where(どこで): 開催場所
・How(どのように): 運営方法
・How much(いくらで): 予算
参考資料の活用
参考資料を添付することで、企画の実現性や効果を具体的に示し、説得力を高めます。
具体例:過去のイベント実績データ、市場調査結果、予算見積もり根拠、協力企業からの見積書や提案書など。これらの客観的な情報を盛り込むことで企画の承認を得やすくなります。
まとめ
イベント企画書は、イベント成功に向けた重要な羅針盤です。企画の目的やターゲットを明確にし、具体的な内容、予算、スケジュールを共有します。特に、具体的な数値目標(KPI)を設定することが効果的です。

企画書はフィードバックを受けて改善を続けることで、イベント成功の可能性をさらに高められます。適切なツールの活用と継続的な改善が、イベント企画を成功に導く鍵となります。









